スマートフォンやSNS、ネット銀行、動画配信サービスなど、私たちの生活はデジタルサービスなしでは成り立たない時代になりました。
しかし、その一方で見落とされがちなのが「デジタル終活」です。
もしもの時、家族はスマホのロックを解除できるでしょうか?ネット銀行の口座や投資資産の存在を把握できるでしょうか?契約中のサブスクリプションサービスを解約できるでしょうか?
実は近年、デジタル遺品に関するトラブルが増加しています。
本人にとっては些細なことでも、残された家族にとっては大きな負担になることも少なくありません。
今回は、デジタル終活をしていなかったことで実際によく起こるトラブル事例を5つ紹介します。
デジタル終活とは?
デジタル終活とは、スマートフォンやパソコン、SNSアカウント、ネット銀行、サブスクリプションサービスなどのデジタル資産を整理し、家族が困らないよう準備しておくことです。
従来の終活では財産や遺言書の整理が中心でしたが、現代ではデジタル資産の管理も重要な終活のひとつとなっています。

トラブル① ネット銀行や証券口座が見つからない
最近ではネット銀行やネット証券を利用する人が増えています。
しかし、紙の通帳や取引報告書を持たないケースも多く、本人しか口座の存在を知らないことがあります。
その結果、相続人が資産を把握できず、本来受け取れるはずの財産が長期間放置されることもあります。
よくあるケース
- ネット銀行の口座が見つからない
- NISA口座の存在を家族が知らない
- 証券会社が分からない
- ログイン情報が不明
特に投資をしている人ほど、家族に最低限の情報を共有しておくことが重要です。
トラブル② サブスク料金が引き落とされ続ける
動画配信サービスや音楽配信サービス、クラウドストレージなどのサブスクリプション契約は、自動更新が
一般的です。
契約内容を家族が把握していない場合、利用していないにもかかわらず料金だけが
支払い続けられることがあります。
月額数百円でも複数契約していると年間数万円になることもあります。
クレジットカード明細を見ても何のサービスか分からないケースも少なくありません。
トラブル③スマホが開けず大切な思い出が取り出せない
スマートフォンには家族写真や動画、連絡先、契約情報など多くの情報が保存されています。
しかし、パスコードや生体認証によってロックされているため、家族でもアクセスできないことがあります。
失われる可能性があるもの
- 子どもの成長記録
- 家族写真
- 動画データ
- 連絡先
- 契約情報
特にクラウドへ自動保存していない場合、スマホの中だけに残された思い出を
取り出せなくなる可能性があります。
トラブル④ SNSアカウントが放置される
故人のSNSアカウントがそのまま残り続けるケースも増えています。
アカウントが放置されることで、不正アクセスやなりすまし被害のリスクが高まります。
また、友人や知人が事情を知らずにメッセージを送り続けることもあります。
放置によるリスク
- 不正ログイン
- なりすまし被害
- 個人情報の流出
- 削除手続きの長期化
サービスによっては、遺族が追悼アカウントへの変更や削除申請を行える場合もあります。
トラブル⑤ 仮想通貨(暗号資産)が取り出せない
仮想通貨はデジタル遺産の中でも特に注意が必要です。
取引所のログイン情報やウォレットの秘密鍵が分からなければ、家族でも資産にアクセスできません。
実際に世界中で多額の仮想通貨が永久に引き出せなくなったといわれています。
よくあるケース
- 仮想通貨を保有していたことを誰も知らない
- ウォレットの場所が分からない
- 秘密鍵が見つからない
- 取引所が特定できない
資産価値が大きいほど、事前準備の重要性は高まります。
デジタル終活でやっておきたいこと
トラブルを防ぐためには、次のような準備がおすすめです。
利用中のサービスを一覧化する
まずは利用しているサービスを書き出しましょう。
一覧にしておくだけでも家族の負担は大きく減ります。
ログイン情報の管理方法を決める
パスワード管理アプリやエンディングノートなどを活用し、必要な人が
確認できる方法を整えておきましょう。
不要なアカウントを整理する
長年使っていないサービスは退会しておくことで管理が楽になります。
写真や重要データをバックアップする スマホだけに保存せず、クラウドや
外付けストレージにも保管しておくと安心です。

家族のためにできる最初の一歩
デジタル終活は高齢者だけのものではありません。
スマホやSNS、ネット銀行、サブスクリプションサービスを利用している人なら、
誰にでも関係する問題です。
「まだ先の話」と思っていても、突然の病気や事故は誰にでも起こり得ます。
残された家族が困らないようにするためにも、まずは利用しているデジタルサービスを
書き出すことから始めてみてはいかがでしょうか。
デジタル終活は、自分のためだけでなく、大切な家族への思いやりにもつながります。
