「相続って、結局なにからやればいいの?」
いざその場面になると、 手続き・税金・不動産・家族間の話し合いなど、考えることが一気に増えます。
特に相続は、後回しにすると
「期限に間に合わない」
「家族で揉める」
「余計な費用がかかる」
といったトラブルにつながることもあります。
この記事では、相続の基本から手続きの流れ、相続税、相続登記、相続放棄、トラブル対策まで、はじめての方にも分かりやすくまとめました。
相続とは?まず押さえておきたい基本
相続とは、亡くなった方の財産や権利・義務を家族や親族が引き継ぐ手続きのこと。
ただし、いいことだけではなくマイナスの財産も、セットで引き継ぎます。
だからこそ、「何を相続するのか」を最初に把握するのが超重要
相続財産は3つに分けて考える
相続財産は、大きく次の3つに分けて考えると分かりやすくなります。
- プラスの財産
不動産、預貯金、株式、自動車、貴金属など。 - マイナスの財産
借金、ローン、未払い税金、未払い医療費など。 - 相続財産に含まれないもの
受取人が指定されている生命保険金や死亡退職金、仏壇・お墓など祭祀財産など。
“知らずに損する人”が多いポイント
相続では、プラスの財産だけを見て判断するのは危険です。
借金や未払い金がないかも必ず確認しましょう。
「財産はもらいたいけど借金だけ避けたい」といったことはできません。
相続するか、すべて放棄するかのどちらかになります。
不動産がある相続は特に注意
相続で揉めやすい原因のひとつが、不動産です。
不動産は現金のように簡単に分けられません。
住み続けたい人、売却したい人、共有にしたい人など、相続人ごとに考え方が分かれやすいのが特徴です。
さらに、不動産の評価額や名義変更、固定資産税の負担なども関わるため、相続人同士だけで進めると話が複雑になりやすいです。
不動産がある場合は、早めに司法書士や税理士などの専門家へ相談するのがおすすめです。
相続放棄は“3ヶ月”がすべて
ここで最も重要なのが期限です。
相続放棄は、相続が発生したことを知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
この期間を過ぎると、原則として相続を受け入れたとみなされ、後から放棄することはできません。
知らないうちに“相続した扱い”になるケースもある
注意したいのが、意図せず相続を承認したと判断されるケースです。
たとえば、
- 故人の預金を引き出す
- 不動産を売却する
- 遺産を使う
こうした行為をすると、相続を受け入れたとみなされる可能性があります。
相続は“勝手に始まる”って知ってた?
相続は、亡くなった時点で自動的に始まります。
「まだ何も決まっていないから相続は始まっていない」というわけではありません。
相続手続きは、次のような流れで進みます。
- 死亡届の提出
- 遺言書の有無を確認
- 相続人を確定
- 相続財産を調査・評価
- 遺産分割協議を行う
- 相続登記や預貯金の手続きを進める
- 必要に応じて相続税を申告する
大切なのは、いきなり「誰が何をもらうか」を決めないことです。
まずは相続人と財産の全体像を整理してから、話し合いに進みましょう。

遺言書がある場合はどうなる?トラブルを防ぐための基本
遺言書がある場合は、基本的にその内容に沿って相続を進めます。
あらかじめ分け方が決まっているため、手続きがスムーズになるケースも多いです。
ただし、次のポイントは必ず押さえておきましょう。
■ 遺言書があっても万能ではない
- 遺留分(最低限の取り分)がある
- 内容によってはトラブルになる可能性あり
■ 見つけたときの注意点
- 勝手に開封しない
- 自己判断で進めない
- 種類ごとの手続きを確認する
■ 遺言書の主な種類
- 自筆証書遺言
自分で作成できるが、形式不備で無効になるリスクあり - 公正証書遺言
公証人が作成に関与するため信頼性が高い

誰が相続人になる?相続人の範囲と順位
相続人になる人は、法律で順番が決められています。
まず、配偶者は常に相続人になります。
そのうえで、次の順位の人が相続人になります。
- 子ども
- 父母などの直系尊属
- 兄弟姉妹
たとえば、子どもがいない場合は親が、親もいない場合は兄弟姉妹が相続人になることがあります。
後から「自分も相続人だった」というトラブルにつながることがあるため、最初にしっかり確認しておきましょう。
相続登記は“後回しにできない時代”に
これまで相続登記は、義務ではなく任意とされていました。
そのため、親や祖父母名義のまま長年放置されている不動産も少なくありませんでしたが、2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
いつまでに相続登記が必要?
相続によって不動産を取得したことを知った日から、3年以内に
相続登記を申請する必要があります。
登記しないとどうなる?
正当な理由がないのに相続登記をしなかった場合、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。
ここでいう「過料」は罰金とは少し違いますが、法律上のペナルティです。
「知らなかった」
「忙しくて後回しにしていた」
「家族で話がまとまらなかった」
という理由だけでは、安心とは言い切れません。
2024年より前の相続も対象になる?
2024年4月1日より前に相続した不動産でも、相続登記の義務化の対象になります。
政府広報オンラインでも、義務化前に相続した不動産については2027年3月31日までに相続登記が必要と案内されています。
つまり、
「昔の相続だから関係ない」
「親の代から名義変更していないけど大丈夫」
とは言えません。
古い名義のままになっている不動産がある場合は、一度確認しておくことが大切です。
話し合いがまとまらない場合はどうする?
遺産分割協議がまとまらず、期限内に登記できない場合もあります。
そのようなときのために、2024年4月から「相続人申告登記」という制度も始まっています。
これは、自分が相続人であることを法務局に申し出ることで、ひとまず相続登記の申請義務を果たす制度です。
不動産の分け方が決まっていない場合でも、何もしないで放置するのではなく、使える制度があるか確認しておきましょう。
預貯金口座の手続きも忘れずに
相続が発生すると、故人名義の銀行口座は凍結されることがあります。
凍結された口座からお金を引き出すには、戸籍謄本や遺産分割協議書、相続人の印鑑証明書などが必要になることがあります。
金融機関によって必要書類が異なるため、早めに確認しておきましょう。
相続税はかかる?まずは基礎控除を確認
相続税は、すべての相続で必ずかかるわけではありません。
まず確認したいのが、基礎控除です。
基礎控除額は、
3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算します。
たとえば、法定相続人が3人なら、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円 となります。
遺産総額がこの範囲内であれば、相続税がかからない可能性があります。
相続税の申告期限にも注意
相続税の申告・納税期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
不動産の評価や遺産分割協議に時間がかかると、あっという間に期限が近づきます。
相続税がかかりそうな場合は、早めに税理士へ相談しておくと安心です。
相続は“早めに動いた人”ほどラクになる
相続は、何から始めればいいのか分からないまま放置してしまいがちです。
でも実際には、相続登記や相続税、相続放棄など、期限がある手続きも少なくありません。
特に不動産がある場合は、2024年から相続登記が義務化されているため、
「いつかやればいい」と後回しにするのは危険です。
不安をそのままにせず、できるところから一つずつ進めていきましょう。




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